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2013年9月7日土曜日

救急外来にて~研修医K~


お久しぶりです。研修医Kです。
Kというと夏目漱石の「こころ」みたいな感じですね。周りのあらゆる先輩に教えや忌憚のない叱咤(忌憚無さすぎてただの暴言と化していることもよくある…)を受けて自分の能力と経験の低さと日々戦っているところです。


~救急外来で~


ある金曜日の救急外来。
 
Kはすでに何回かの当直や救急外来を経験済みであった。ちなみに一回目は大成功だった。
 
というのは救急患者が一人も来なかったからだ。
 
 
それじゃ、戦ってないじゃないかというかもしれない。だがかの有名な孫子の言葉「戦わずしてその兵を屈するは善の善なるものなり」とある。そう戦わないのが一番いいのだ!








・・・・・・・・などと屁理屈こねても実力はつかない。救急に入った以上しっかりと勉強もかねて対応できるようにしなければ。


救急は患者が来ない間は基本自由なので担当患者をひとりで回診していたところ






ピピピッ!





救急Ns「もしもしデイサービスで急に倒れた人が連れて来られてます。」



K「わかりました、すぐに行きます。」


行ってみると半身麻痺と不穏の患者がいる。
 
一気に採血、X線、心電図をオーダーしさらに頭部CT!
 
診察で神経所見が取れ、脳卒中は間違いなさそうだが・・・

CTは所見がない・・・
 
いや、違う!この場合所見がないことが所見なのだ!
 
脳梗塞発症早期のCTは正常と変わらないという特徴がある。
 
これは新しい脳梗塞だ。
 
そして今は発症から1時間も経っていないからtPA(ググりましょう)ができる可能性がある!
 
 
ここら辺でそれができる施設は△病院と□病院だけだ。
 
 
先ずは△病院に連絡しよう!!



・・・先生不在で連絡つかず。連絡とれ次第折り返しますということで・・・

 
 
次は□病院に連絡!!



□病院医師「わかりました、ではすぐに送ってください!」



「おぉ~対応早い!」
 


データや紹介状をすぐにまとめ指導医とともに救急車に乗り込み無事に□病院まで送り届けた。
 
発症から1時間30分だった。
 
脳梗塞は時間との戦いで上記のtPA という治療は発症から4時間30分以内なら施行できる可能性があるのだ。
 
兎に角早いほうがよい。

 
 
 
 
 

~~おまけ~~
 
 

出発直前。


プルルッ!

「△病院の○○と申しますが先程のお電話は何だったでしょうか」

「あっあのー、発症1時間以内の脳梗塞が疑われる患者さんがいまして・・・tPAの可能性を考えてお電話差し上げたんですけど・・・」


○○医師「そうなんですか!それなら早く送ってください。」


「いえ、それが同時に連絡した□病院に受け入れ可能と返事がありまして・・・なんというか、えーっと、あ、はいもう大丈夫ということで・・・」


○○医師「・・・わかりました」


※こちらの対応としては同時に連絡するのも仕方なく、相手方も理解していただけるはずだがなかなか気まずい電話でした。



~~後日談~~

看護師M()「あっ、じゃあ□病院にいったんだ」

K「そういうこと」

M「かわいい看護師さんとかいました?」

K「綺麗な女医さんならいたよ。その人とは知り合いだけど大学のミスコン出たことあるよ」

M「おぉー、いいじゃないですか♪」

K「まあ、その人結婚して子供いるけど」

M「なんだ、つまんねー。」

K「いいこと教えてあげよう。貴方も結婚して子供がいる!」

M「えっ、何?よく聞こえなーい。」

K「そんなに難しいこと言ってねーぞ。」


~~以上研修医Kの救急外来でした~~

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